Get ready for it! Drop a 🙌 and tag a friend if this is you on Friday! Pre-order Odyssey here: https://t.co/qSiCJEGWY9 pic.twitter.com/UGSVVZXgFp
— Take That (@takethat) 2018年11月21日
という訳でみんながお待ちかねの"Odyssey"リリース。iTunes版をDLしたので早速感想を書いていきたい。想いが溢れすぎる点にはご容赦を。何回か既に聴いている方向けのレビューです。曲のナンバリングはiTunes版に準じます。各曲MVのリンクも逐一貼りたかったけどなんか違う気がしたのでやめました。まずはぜひ耳で味わってほしい。
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1. Greatest Day (Odyssey Mix)
もう二月前になるだろうか、先行ツイートでもリリースされた、ちょっとスペーシーで不穏な雰囲気のインストゥルメンタルが流れ出す。これを"Overture"とか名付けないだけTTはセンスがいい。'Never Forget'のサワりを織り交ぜ、興奮のドラムロールを引き継ぐままに、Greatest Dayへとなだれ込む。ライブと違って「かむあらい↑↑↑とぅな〜い♪♪♪」を一発目からピシッと当てるGary Barlowの歌声が心地よい。毎度思うが、ライブのオープニングにこの爽やか激ムズ曲を選ぶGazはちょっとMだと思う。黄色の紙テープが脳内でブワッと一気に舞い上がる。
2. It Only Takes A Minute (Odyssey Mix)
昔のヒット曲なら手術が必要、とは事前の下馬評だったが、あまり手を入れてしまうと「じゃすわんみーにっ♪♪♪」「ぴーーーっす♡」がカットされてしまうのではと懸念していた。そんな心配は杞憂に終わる。Robbie Williamsもこの記念すべきアルバムに往年の声をしっかり残してくれている。若い頃のGazのドライなボーカルもなかなかいい。歌唱法をガラッと変えたことを再確認。この頃はまだタバコをバカスカ吸ってたもんね。ダサめのキーボード(シンセ?)のリフも毎度おなじみ。このリフを聴くとどうしてもエアロビクスでステップを踏む5人を思い出す。俺にとってこの曲はエアロビ曲。
3. These Days (Odyssey Mix)
そして間髪入れずThese Days.このタイミングは泣ける。スッ、と写真立ての中身が入れ替わるイメージ。ここまで4人(ゼロ年代)→5人(90年代)→3人(10年代)と、年代も構成人数もまるで違う3曲を立て続けに聴かされて、リスナーは激しく心揺さぶられるだろう。そしてこの楽曲集が、単にTTのヒット曲を集めたに過ぎないアルバムではないことに気づかされる。年代が変わっても、人数が変わっても、その根底に流れるTTのatmosphereは全く変わらない。むしろ年を重ねるごとに前の楽曲へのリスペクトを忘れない彼らの姿勢に脱帽。だから統一感がある。その統一の象徴みたいな一曲。Jason Orangeというキーパーソンを失ってもなおTTがTTであり得た理由がここにある。
4. Could It Be Magic (Odyssey Version)
前トラックのおシリがグニャリとベンドし、レコードが入れ変わるMagic.この合間のナレーションは、声の渋みからおそらくMark Owenだろう。しかし意外や意外、"Odyssey Version"だし、ちょうど良い機会だから絶対にGaz Ver.だろう、と予想していたら頭からお尻までRob Ver. でビックリ。おおお、何故だったんだろう。俺の勝手な見立てでは、Gazはこの曲に関するヘゲモニーをずっと握りたい人だと思っていて、それこそライブで散々リードボーカルを取ってきた訳だが、今回はRobに譲ったということか。
5. Everything Changes (Odyssey Version)
そうなると、同じくRob曲のこっちも当然にRob Ver. となる。前半のトラックでRob案件をこなしておいて、後半Gaz色を一気に解放するつもりなのかな、と勘ぐりたくもなる。前半でRob曲多め、後半でGaz曲ガッツリという構成は、"Progressed"(2011年)とも似る。
6. Travel Interlude
7. Out Of Our Heads
インストゥルメンタルに引き続き、本作の目玉の一つであるシングル曲。ビジュアル付きで聴くのとノービジュアルで聴くのとではまるで印象が違う。エコーがかかってやや曲がったGazの声はMVで感じた以上に孤独にも聴こえる。にしてもMarkのコーラスのシブさよ。一発で彼の声だと聴き分けられる。
8. A Million Love Songs (Odyssey Mix)
ここでオマケのように差し込まれる'Up All Night'に驚きつつ、満場の拍手と共に'A Million Love Songs'へ。Mike StevensのSaxphoneも毎度おなじみ。イントロに誘われて、BステージでMikeを煽っていた、まだコロコロしていた頃のGazを思い浮かべていたら、流れてきたのは若い方のGaz Ver. でアララ。こっちはちゃんと聴いたことがなかった。そろそろJazzのstandard songになっても良さそうな佳曲なのに、なかなかそうならないのはTTの知名度ゆえか。
9. Sure (Odyssey Mix)
TT worksの中で最高難易度の本作。なんせ、踊りまくり回転しまくりの脇4人がファルセットコーラスをバシバシ決めなきゃなんないからね。Beautiful World TourではMarkがオクターブ落として地声でコーラスしていたのもいい思い出。4人しかいなかったから息も切れ切れで踊るハメになったGazもいい思い出。まだ無理が利いた若い頃。
10. Love Ain’t Here Anymore (feat. Boyz II Men) (Odyssey Version)
もちろん本ブログでは大注目の大本命トラック。1番はTTのみ?で、本番は2番から。もうコーラスの格からして違う。TTのコーラスって三声が瞬時に聴き分けられる点がちょっといびつなんだけど、BIIMは三声が渾然一体となってまるで分からない。BIIMを聴くと、声は単なる「音」では無い、ということがよく分かる。例えるなら、TTはドレッシングコーラスで(水相/油相/固形分)、BIIMはマヨネーズコーラスかな。どちらがお好みかはサラダ次第なんだが、この曲はどっちでもイケる本格派R&B.
なんだかね、俺嬉しいんよ、TTがBIIMからお墨付きを貰ったみたいで。英国のboybandって初めは専ら米国からの輸入物に過ぎなくて、本来なら根っこにあるべき教会音楽やらR&Bやらがないまま接ぎ木したもんだから、どうしても薄味。そこに30年の時を経て、BIIMが本場のマヨネーズソースをガッツリ効かせてくれた。ああそうか、この曲は本来ならこう歌われる筈だったんだ、という気付きもある。それはGazが意図したものかどうかは分からないけど。まさにコラボの醍醐味。
一方のBIIMは、nkotbとの2017年"Total Package Tour"が終わり、路線変更したnkotbの2018年"Mixtape Tour"には招集されず。TTは本トラックで、hip-hopへの回帰を目論むnkotbから、同世代manbandのBIIMのR&B魂を譲り受けたようにも見える。あるいはBIIMの旅路の果て、フラリ立ち寄った先がTTだったのか。nkotb(1984年結成)、BIIM(1985年結成)、そしてTT(1989年結成)という、(俺の分類では)mega manband第二世代の思惑が交差するようなしないようなLove Ain’t Here Anymore. 極上のマヨネーズ味をご賞味あれ。
あ、忘れてた。2番の歌割りはおそらく、
みんなのグラサンアニキNathan Morris(8小節)→
長細いルックスShawn Stockman(4小節)→
再びNate(4小節)→
サビ(リードはGaz、濃ゆ〜いフェイクはNate)→
ブリッジでGazと絡み合うのは最年少スキンヘッドのWanya Morris
だろうか。初っ端の"♪♪ Listen~ ♪♪"から自分たちのmusic territoryにGazをガンガン引き摺り込んでいくBIIMの凄まじさ。まさに死闘。Howard DonaldやらMarkやらはまるでお呼びでない。一回、たったこの一曲でいいから、ライブで対バンしてくれないかなぁ。Gazは内心スゴく嫌がるかもしれないが笑。
11. Spin
激闘の果て、疲れ果てたGazをサポートすべく舞い降りたのは我らがオッサン天使Howard Donald。彼がリードを取る本作唯一のオリジナル新曲。前トラックのR&B色が残らずキレイに払拭され、いい意味でダサいrock tasteが漂う。ここ数年のテクノな感じからは意外にも思えるロックなお声。'Beautiful World'を思い出す。いつもの透き通ったファルセットボイスとは違って、Howardの地声ってちょっと喉が締まっていて、苦しげに聴こえてしまうんだよなぁ。それもまた彼の持ち味なのだろうか。
12. Cry (by Sigma ft. TAKE THAT) (Odyssey Mix)
Cryに関してはホント色々言いたいことがありすぎる。う〜む。TTはよくぞこの曲をベストアルバムに採り上げたなぁ、と度量のデカさに感心してしまうほど。俺は絶対外すだろうと思っていた。 "III"と"Wonderland"を繋ぐ唯一のシングルだし、そもそもTTをfeaturingするなんてアーティストは極めて稀なもんだから(もしかして初めて?)、記録としても残して置きたかったんだろう。もちろん、曲の質の高さは言うまでもないんだけど。
どこから書いたもんか迷うが、俺が違和感を覚えたのは2017年"Wonderland Tour"での演出。真っ白な衣装の3人が中央の円形Aステージから駆け下りて、三方てんでバラバラに散らばって行って、ハシゴを駆け登って、アリーナ外側に向かって歌い出す…でもさ、主役の3人がわざわざ汗水垂らして客席に突入していくこの演出って、中央AステージにSigmaの2人がいなきゃ成立しないんじゃないの?で、2人はどこにいたの?って話。もちろん、その後の演出の都合でAステージの舞台チェンジが必要だったんだろうけど、やっぱりTT3としてはSigmaに一度でいいから立って欲しかったと思うんだよなぁ、そのAステージに。俺の勝手な想像だけど。曲に関してはSigmaが主役ではあるんだけど、大先輩であるTTのライブで採り上げて貰えるんだから、ツアー自体に帯同していても全く不自然では無いはず。それなのに、彼らはいなかった。
そう考えるとグチは止まらない。そもそもこの曲ってft. Gary Barlowでも良かった訳じゃないですか。結果的に、他2人の貴重な声がそこまで必要とされなかった曲。Howard Donaldの美しいファルセットコーラスも、Mark Owenの特徴的なバリトンボイスも、コーラス隊の中に埋もれてしまっている。彼らのソロパートも当然のように無い。でもft. TAKE THAT。なぜか。Gary Barlowでは知名度が足りなかったからなのか。Sigmaの2人は、「名」としてはTAKE THATを、「実」としてはGary Barlowを取りたかったのかなぁって勘繰りたくなっちゃう。俺はハコとしてのTTを猛烈に愛しているので、こういうことをされてしまうと冷静ではいられない訳ですよ。せめて"Wonderland Tour"に一度でいいからゲスト出演して欲しかったなぁ、Sigma。これ以上書くと悪口になってしまうので止める。何度でも念を押すが、曲は最高です。縦ノリ上等です。これからもTTは何度もセットリストに乗っけるだろうし、観客は喜んで飛び跳ねることだろう。であるが故に悔しい。
13. Said It All (Odyssey Mix)
気を取り直して次へ。Spinで転がって、前トラックと本トラックで哀しみを、次の曲(CD1の最終曲)で癒しを、という選曲のベクトルに震える。TT4だった頃、Gazがまだ丸っこかった頃の、ちょっとハスキーな声が楽しい。コーラスに一枚多く厚みがあるのは、やはりあの青マイク、Jason Orangeの声が被さっているからだろうか。そしてブリッジのMark Owenの絶唱。汗で化粧がグシャグシャに取れかかったピエロを思い出してもいいし、子泣き爺みたいな"bloddy coat"を思い出してもいい。てか、めちゃ良い曲なのに変な衣装しか着てないのな、ライブの時。
14. How Deep Is Your Love (ft. Barry Gibb) (Odyssey Version)
前トラックで1996年解散発表時のHowardとGazの音声が挟まる。かの有名な"But Unfortunately, the rumors are true."その後散々自身でもネタにしてました。こんな感じでトラック間に様々なネタが埋まっている模様。なかなか拾いきれないのが正直もどかしい。
"How Deep Is Your Love"はTAKE THATが優れたカバーソングアーティストであることを証明した一曲。本トラックは、本家Bee GeesのSir Barry Gibbをお迎えしての再録となる。Sir Barryも涼しげなファルセットを聴かせてくれている。"boyband"で検索すると、Jackson 5やらThe Osmondsやらと並んで、必ずBee Geesがリストアップされるんだよね。彼の曲にはあまり馴染みがなかったが、これを機会に聴き込んでも良いな、と思える名共演である。
15. Let’s Do It Again Interlude
ここからはCD2。Gaz以外のメンバー、つまりRob、Howard、Mark、Jayの音声が流れる。解散発表時の音声なのか、再結成発表時の音声なのか(曲のタイトルはそんな感じだよね)、それとも"For The Record"の音声なのか(それにしてはRobの声が若い)、はたまた"Look Back, Don't Stare"なのか、全く分からなかった。むむむ。
16. Patience (Odyssey Mix)
そして"Patience"へ。この辺からはヒット曲ばかりでもう息ができない笑。CD2って、曲順を見ずにプレイすると大変なことになるね笑。作業用BGMにするには時間がかかりそう。解散→再結成の10年の時間を、CD1とCD2の物理的距離で表現しているのもお見事。iTunesだとあまり意味がないんだけどね。
17. The Flood (Odyssey Mix)
日本に住むthatter(TTファン)からすると、ホントこの曲はタイミングが悪かった。3.11の前年の秋にリリースした曲のタイトルがまさかの"The Flood"。それはともかく、このアルバムでRobがメインの曲はこれが最後となる。名残を惜しむかのようにコーラスが溶けて消え、替わりに鳴り出すストリングスは"Progress"(及び"Progressed")より"Wait"のイントロ。"The Flood"にズルズル押し流されて逆流した時間は、"Wait"でポーズし、巻き戻されたまま次のトラックへと流れ込んでいく。
18. Back For Good (Odyssey Mix)
何も言えねぇ。ライブ録音は数知れず、バージョン違いも多いけど、やはりこの1995年版が最良なのでは。グループがグズグズに溶け落ちていく寸前、しかしそんなの微塵も感じさせないevergreenな果実。ちなみに今回コラボしたBoyz II Menも2009年にカバーしてくれています。みんなこっちも聴こうぜ。
リリース時期の異なる曲をスムーズに繋げつつ、本トラックをほぼ無傷で残すため、曲間のオカズとして"The Flood"のラストに"Wait"のイントロを差し込み、次の"Get Ready For It"冒頭に"Alt Intro"として "Man"("Progressed")を突っ込んでる点で、TTにおける"Back For Good"に対する敬意を感じる。ラジオでのプレイを意識したのかもしれない。
19. Get Ready For It (Odyssey Alt Intro)
"Wait"が"Progress"(2010年)から、本トラック冒頭の"Man"が"Progressed"(2011年)からのサンプリングで、間の"Back For Good"がそこから約15年も前の曲。"Wait"で止めて巻き戻した時間を、"Man"で人類の進化に合わせて元に戻し、一気に加速させて現代へ。ってか。時間処理が曲りくねり過ぎてついて行けない。
20. Everlasting
時間旅行にフラフラしているところでこのヒトの声を聴くと安心する。みんなのMark Owen、本作唯一のリード曲かつ新曲。Dancingとeverlastingで韻を踏んでるサビが印象的。サウンドとしては前期1Dというか、5~6年前の流行りを反復しているかのよう。Markが昔書き溜めた曲を本アルバムのために引っ張り出して来たのだろうか。
ところで本アルバム、新曲の比率はGaz曲 : Howard曲 : Mark曲 = 1:1:1で、Mark曲だけCD2の一等地に割り当てられているのに、今回のベストアルバムではMarkの存在感がちと薄い気がする。曲間の所々に渋みボイスを利かせているのはどうやらMarkみたいなので、隠し味みたいなものを狙ったのかもしれない。
21. Giants (Odyssey Mix)
前トラックもDancing、そのラストでゴニョゴニョ言っている誰かさん(Jay?)もDance、そしてこのトラックでもDancing。踊っているうちに気づけば2017年まで辿り着いているという仕掛け。
One Love Manchesterで2組目にステージに立ったTAKE THAT。同市のguardianとも言うべき大御所の彼らが二発目に放ったのは当時の最新曲"Giants"。(動画ではMarcus Mumford (Mumford & Sons)の紹介から"Giants"までが繋がっているが、実際の一発目は"Shine"。よく見るとGazの初期位置がピアノの前で、"Shine"の配置であることが分かる。一発目から"Giants"ではGazがちと辛かったんだろう。)"Wonderland Tour"真っ最中の彼らにとって他人事ではなかったからか、チャリティコンサートの話が出ると真っ先に名乗りを上げ、タイトなスケジュールを物ともせず登場、客席を積極的に暖めた。動画のバックの映像はこれ、事前に準備できたものである筈がなくて、"Wonderland Tour"の映像を援用したもの。既に満員のオーディエンスを少しでも楽しませようという彼らの心遣いがよく分かる。三曲目の"Rule The World"を終え、Robbie Williamsへと無事にバトンを繋いだ。
ちなみにWikipediaによれば、開催日の2017年6月4日はBirminghamで"Wonderland Tour"4連チャン(6月1日~4日)の真っ只中。想像するに、3日夜にBirminghamを出て4日夕方の出番を終え、夜公演のためにトンボ帰りしたんだろう。タフな3人。
22. Shine (Odyssey Alt Intro)
その"Shine"、"Alt Intro"というもんだから、てっきり"Mr. Blue Sky" by ELOのラストが入るのかと期待してたがさにあらず。Markの声がやはり若くてまだ細い。
"Beautiful World Tour"のコメンタリー動画で、確かJayが「ツアーのラストを"Shine"か"Pray"かで随分迷った。」みたいなことを言っていた。近年のツアーでは"Rule The World"をラストに持ってくることも多いが、本アルバムではこの3曲のうち"Shine"が最も早くプレイされることになる。
23. Never Forget (Odyssey Mix)
前トラックのお尻のストリングスがグニャグニャ曲がって(また時間旅行か)あのコーラスへと繋がる。こっちのHowardの声も若いね。
この曲ではMarkが"I'm still so young~♪♪"と歌ったり"I'm not so young~♪♪"と歌ったり、直近の"Wonderland Tour"ではやっぱり"I'm still so young~♪♪"と歌ったりで、アンタどっちやねん笑、というのが毎度聴きどころの1つである。歌詞をコロコロ変えるその気持ち、分からんでもない。
24. Relight My Fire (Odyssey Version)
ここまでのトラックとは違い、本トラックはオリジナルから大胆に構成を変えている。曲のブリッジに登場するはずのLuluのシャウトが頭に配置され度肝を抜かれる他、アレンジも大改造。チュイ〜ンチュイ〜ンいわせるシンセは、レトロな雰囲気を狙ったんだろうか。ラストのシンセループは、昨今流行りのサウンドを意識したものと思われる。
この曲は最初Robが2日粘ってレコーディングしたがなかなかモノにできなくて、リードをGazにバトンタッチした、というエピソードがある(p. 127 of Chapter 7 'Mini Elton' in "My Take" by Gary Barlow (paperback ver.))。ゲストにLulu先輩を迎えるし、中途半端な出来は許されなかったんだろう。そんなLuluもミュージカル"The Band"初日のアンコールでこの曲をTTと共に歌ってくれたりして、健在ぶりをアピールしている。
25. Babe (Odyssey Version)
でね、これが謎なの。"Odyssey Version"っていうから、てっきり再録かと思いきや、Markの声が若いまんま。これ絶対今の声ではないよね。2006年の"Ultimate Tour"でのMarkの声でもない。ストリングスを変更するだけなら"Odyssey Mix"でもよかった気がする。
26. Pray (Odyssey Version)
この曲も大胆にリメイクされている。冒頭のピアノは"Gymnopédies" by Érik Satieを当然に意識したものだろう。
既にレビュー済みではあるし、当初予測通りかなり深い位置に配置されたけど、まだまだコメントし足りない気がする。Gazの声から聴き取れるのは、どれほど飲み込んでも飲み込みきれないもの、どんなに潤しても乾いているもの。旅立つ宇宙船の中の音楽。孤独な温度のテーマ。
前のトラックと合わせて、Jason Orangeへのごく私的なメッセージだったりしないかね。しないな。
27. Rule The World (Odyssey Version)
Robはかつて「"Let Me Entertain You"で始まり"Angels"で終わる。それが俺のライブ。」みたいなことを言っていた。近年のTT本体も、幕開けこそ新曲だが、"Greatest Day"で仕切り直して、アンコールは"Rule The World"で締めるのが定番。本アルバムもそれに倣った構成で、集大成という意味では大変よろしいんじゃないかと。ちょっとマンネリ感はあるんだけど。そろそろこの曲に取って代わるラストの定番曲が欲しいよGazさん。
浮遊感を引っ張るラストは"Wonderful World" ("Progressed")を連想させる。
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あ〜疲れた。だいぶ駆け足だったけどいかがだったでしょうか。本ブログを読んで下さってる方で、TTをまだそんなに聴き込んでない方か、または聴いたことがない方は、とりあえずこちらの"Pray"をお試し頂いたらいいんじゃないでしょうか。原曲とはガラリ雰囲気が変わっているんだけど、このアレンジの方が射程距離は長いと思う。
ベストアルバムという割に、あまり初心者向けって感じもしない本アルバム。ただまぁ、これまでアルバム未収録だった"Rule The World"が入ったのは嬉しい。これを機に、テレビやラジオでもこの名曲がガンガン流れることになるだろう。めでたしめでたし。
Well, it’s finally out!! Lots of hard work, listening, arranging, deciding, laughing and lots of reminiscing.
— Howard Donald (@HowardDonald) 2018年11月23日
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— Robbie Williams (@robbiewilliams) 2018年11月23日