2021年ピックアップ、早いもので本日が前半戦最後です。
今年を代表する2組にご登場いただきましょう。
先攻manbandは、イケイケドンドンのプロモーション・スタイルと、きめ細かなサウンドの妙が楽しい、夢のGrammy Winners Duo!
'Leave the Door Open' by Silk Sonic (2021/03/05 MV公開)
*****
Silk Sonic メモ
グループとしての公式な初舞台がGrammy 2021ってそりゃ無いぜ、デビューからして規格外なスーパーグループ。
一人で何でも出来る才人なんだけど、何故かバンドスタイルが良く似合うBruno Mars (1985年生)
ここまでの道のりが山あり谷ありの超苦労人*1、アメリカン・ドリームの体現者Anderson .Paak (1986年生)
「男二人が組んで、愛について語るのは稀だ。」ってイイ言葉*2。彼らの、もう誰も悲しませない音楽の旅は始まったばかり。
*****
Grammy 2022には、"Record of the Year"、"Song of the Year"、"Best R&B Performance"、"Best R&B Song"の4部門にノミネート。
上2つは難しいかもしれないが、R&B関係の2部門は総ナメと予想します。今からワクワクするね。
そんな超強力タッグの対戦相手は、相手に不足なし、アイドル界最強の7人。
前半戦トリを飾る後攻boybandは、飛ぶ鳥を落とす勢い、今やK-POPの代名詞!
'Butter' by BTS (2021/05/24 映像公開)
*****
BTSメモ
母国を飛び出し、world-wideな活躍を見せるK-POP band。完全英語詞の楽曲でBillboard Top 100の常連、むしろTop1の記録が何週続くかが話題になるほど。
アイドル兵役問題は韓国社会を動かした、最年長のボーカルJin (Kim Seok-jin) (1992年生)
肩の手術のリハビリを終え、本作'Butter'のパフォーマンスに間に合ったラッパーSuga (Min Yoon-gi) (1993年生)
若きダンスマシーン、ラッパーのJ-Hope (Jung Ho-seok) (1994年生)
本作'Butter'の歌詞書き直しで「血も涙もない」コンペの結果*3、見事採用を勝ち取ったさすがのリーダーRM (Kim Nam-joon) (1994年生)
真面目な努力家さん、冴え渡るハイトーンのボーカルJimin (Park Ji-min) (1995年生)
最も落ち着いたバリトンの持ち主、お澄ましボーカルV (Kim Tae-hyung) (1995年生)
本作'Butter'でも主役級の活躍、メインボーカルで完璧主義者のJungkook (Jeon Jung-kook) (1997年生)。
今年は所属事務所Big Hit EntertainmentがHYBEへと生まれ変わり、あのScooter Braun率いるIthacaも傘下に収めた*4。BTS一代で米国エンタメ界の地図すら書き換えたと言っても過言ではない。この勢いはまだ続くか、それとも・・・
*****
BTSも本作で2度目のGrammy Nomineeに。昨年同様、"Best Pop Duo/Group Performance"部門でのノミネート。という訳で早速Grammy予想しちゃいましょう。
直近2020年の予想はこちらから振り返っていただくとして*5、おそらくまだ有効と思われる受賞ジンクスは下記の通り。
2021年までの本部門ジンクス(紫色は2018年までのジンクス)
(1’’)ノミネートはだいたい5作品*6。
(2)同一人が本部門を2回以上受賞したことはこれまで一度もない。
→2019年の'Shallow' by Lady Gaga and Bradley Cooper、2021年の'Rain On Me' by Lady Gaga with Ariana Grandeでジンクス消滅。
(3)過去に本部門の受賞を逃した人が受賞するケースもない。
→Ariana Grandeは2015年、2020年に受賞を逃したが、2021年の'Rain On Me' by Lady Gaga with Ariana Grande見事受賞にてジンクス消滅。三度目の正直。
(α)女性が第一名義にくる作品は未だ受賞していない。
→2019年の'Shallow' by Lady Gaga and Bradley Cooperでジンクス消滅。
・・・というわけで、本部門のジンクスはほぼ消滅。
ジンクスを破ったキーパーソン、Lady Gagaは今回も'I Get A Kick Out Of You'にてTony Bennetと共にノミネート。Tony Bennetは本部門で1勝1敗と、これまた絶妙な予想の難しさ。
ほとんど勘でしかないが、本ブログの予想は下記の通り。
'I Get a Kick Out of You' by Tony Bennett and Lady Gaga → ◉本命
'Lonely' by Justin Bieber and Benny Blanco
'Butter' by BTS → ▲大穴
Lady Gagaは2019年から負けなしの三連勝なので、勝ち馬に乗りたかったらまず彼女に賭けるでしょう。ガッチガチの本命です。傾向と対策はバッチリ、勝ち方が分かった上で、あえてカバーソングで勝負に出たとみた。コラボ相手もGrammy常連Tony Bennettで抜かりなし。
Doja CatとSZAは、この5組の中で唯一、本部門の初顔。ただ、どちらも非白人だから、Grammyは厳しいと思うんだよね・・・残念なことに。Grammyはそういう賞だから。希望を込めて対抗にしました。
BTSも同様に受賞は難しい。彼らの場合、
①非米国人、
②非白人、
③本部門にメチャ厳しいboyband*7、
④一度受賞を逃している、
の四重苦なので、まぁ、まず無理でしょう。ただ、こちらも微かな希望を込めて、大穴にしました。
残る2組は語ることもない。Coldplayは過去に3回、Justinは2回、受賞を逃している。どちらも非米国人だし。
せめて'My Universe' by Coldplay X BTSだったら分からなかったな・・・あれぞコラボって感じだったのに。
本稿の結論として、Silk SonicはGrammy獲得(少なくとも2冠)、BTSは残念、ということでファイナル・アンサー。果たして結果は如何に。来年1月を楽しみに待つことにしましょう。
明日は恒例のクリスマスイブ企画です。お楽しみに。
*1:INROCK 2022 January, Vol.457, p.9
*2:Rolling Stone Japan Vol.16, November 2021, pp.84~91
*3:INROCK 2021 July, Vol.451, p.66
*4:INROCK 2021 June, Vol.450, p.33
*5:すみません、2021年はサボってました・・・
*6:2019年以外
*7:直近ではBackstreet Boys (2019年)やJonas Brothers (2020年)も受賞を逃している。