Bon Bon Boyband ! Man Man Manband !

海外Boyband/Manbandのニュースに簡単なコメントを添えたブログです。

<2020年ピックアップ Boyband vs. Manband> 初日は'The Other Side (From Trolls World Tour)' by SZA & Justin Timberlake (*NSYNC) vs. '영웅 (英雄; Kick It)' by NCT 127!

今年で3回目となりました当ブログの恒例、"Boyband vs. Manband"の年末まとめ。

 

 

 

 

世界中のboybandとmanbandの2020年リリース曲から、毎日1曲ずつご紹介し、この1年を振り返ろうという企画です。

 

 

 

boybandとmanbandの境は、昔懐かしTV番組のヤングチームとアダルトチームくらいのイメージです。なんとなく。

 

 

 

こんなふうに一年を総括しておかないと気が済まない、年を越せない体になってしまった。

 

 

  

それはさておき早速本題へ。栄えある初日、先攻Manbandはあの御大から。

 

 

 

 

映画音楽でサラッとカッコよくBlack Lives Matter Movementを援護したレジェンドと、歌姫ラッパーとの豪華共演。

 

 

 

'The Other Side (From Trolls World Tour)' by SZA & Justin Timberlake (*NSYNC(2020/02/27 MV 公開) 


SZA, Justin Timberlake - The Other Side (From Trolls World Tour)

 

 

 

 

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*NSYNCメモ

世紀の変わり目にBoyband movementの頂点に君臨した*NSYNC。フロントマンの突然の離脱と活動停止(=事実上の解散)により強制的にシャットダウンしてしまったが、ダンス・歌・ルックスいずれも史上最強との呼び声は今なお高い。

ネッチリしたファルセットは未だ健在、アライグマのようなルックスのChris Kirkpatrick (1971年生)

*NSYNCのダンス番長、兼フロントマンにして埋もれた天才、独身貴族をまだまだ謳歌中のJC Chasez (1976年生)

米国エンタメ業界の要諦に食い込みつつある万能包丁Joe Fatone (1977年生)

*NSYNC同窓会の幹事長に収まったLance Bass (1979年生)

そして本稿の主役、*NSYNCの不動のセンター、だが自伝にはグループについてわずか数ページしか触れなかったJustin Timberlake (1981年生)。

離れ離れのスター達は、(JT以外)コロナ禍で意外に距離を縮めた模様。2021年はどうなることやら。

guamman9bonbon.hatenablog.com

 

 

 

 

*NSYNC 2020年ピックアップ!

*まずはJT。本作'The Other Side'は、リリース当初、かなり見当違いな評を書いてしまった(上記参照)。その後の動乱、というよりも、現代米国の根底を流れる嫌〜な空気を感じている人だったら、この曲にすぐピンときた筈ね。そう、白状します。俺の感度が悪すぎました。反省に次ぐ猛省。

 

この曲、MV含めてまるまる「アフロ=フューチャリズム」だったんだなぁ。*1

 

柔らかいシンセのピコピコサウンドからスタート。それを奥底でループさせつつ、ディスコビートに乗った静かな歌い出し。アフリカ系アメリカ人のラッパーSZAを起用し(この起用もまたシブい。イイとこ突いてる。)、彼女に課したのはギンギラ宇宙人衣装から始まる米国撫子七変化。一方のJTはボーカル面でも特に目立つことはなく、全身ブラックの衣装でSZAをスマートにそしてコミカルにサポートする。この衣装もそのまま、アフリカ系男性が街角で着ていそうな、ちょっとワルでサグな感じがするのもポイント高い。首元のチェーンとかね。

 

Al Green*2に憧れた幼少期、南部TennesseeはMemphisの片田舎で、黒人音楽はいつもJTの周囲に溢れていた。時は流れて21世紀、いわれのない人種差別に心を痛めていたのは白人であるJTも同じこと。「文化の多様性」「融和」がテーマの映画"Trolls World Tour"(邦題:トロールズ ミュージック★パワー)の主題曲に託した彼の想いは、COVID-19によって一時は曇らされたかのように見えるけど、リリースから時間を置くほど光り輝く会心の一曲に。見事という他ない。文句なし、2020年のトップバッターです。

 

*さぁ、JTだけで終わらないのが*NSYNCのすごいとこ。特に今年は、隠遁すること仙人の如しおじさんことJC Chasezの神出鬼没ぶりが楽しかった。

まずは年初、あのGary Barlowとの"The Crooner Session"での競演(しかも2人目のゲスト!)には度肝を抜かれた。どんなコネクションがあったんだろう・・・

次に見かけたのは盟友Chris KirkpatrickとのInsta live配信。Chrisがコメントをチラ見していわく、「30%はJCの変な髪のこと(家で散髪したらしい)、30%は『JC、結婚して!』、残り30%は『またグループでアルバム出して!』になってんぞ」とのこと。早速Gary BarlowのSessionの経緯にも触れていて貴重。Gaz vs. Ronan Keating (Boyzone)の1st Sessionをめちゃめちゃ雑に思い出していて(かつ思い出せてなくて)超面白い。そうか、米国のアーティストにとって、英国とはいえ海の向こうの国のバンドは所詮そんな感じの認識なのね・・・JCいわく、最初はGazからSessionしたい曲を聞かれたものの、実のところGazが何を欲していたのかよく分からなかったから、Gazが一番よく知っている曲をセレクトしたとのこと。うーむ、JCさんよ、Gaz渾身の企画に対し、こりゃなかなかの舐め具合・・・後にGazがJLSとしれっと'Back for Good'をsessionし直したのもむべなるかな。20年前のアルバムクイズもちょっと虚しいかな・・・

ただ、Lance Bassのお誕生日会配信はなかなか微笑ましいものがある。これも、直接会わないことが口実になるからこそ叶うことなんだよね。リモート誕生日会の仕掛け人(?)である旦那さんMichael Turchinは本日もムキムキなり。この2人も割と長く続いてるよね。

 

*うーん、それでもまだJTに戻りたい。JTの自作曲解説。ライブDVDではたまに聞けたような覚えがあるけれど、ここまでガッツリ裏側を語ってくれる機会は無かったので貴重。 "Justin Timberlake Essentials"JTの真髄。近作"Man of the Woods"から2曲しか出してないのは、的確な自己評価だけどなんか寂しい・・・

今年はオイタもあったけど、2人目のお子さんも無事御生誕ということでますます絶好調なJT。てか、 Timberlake家はJessicaさんが強すぎるのよ。これホントの話。

 

 

 

 

続いて後攻boybandは、最重要K-POP boyband、粒立つ珠玉の9人組。

 

 

 

  

これが、K-POPの名門事務所、SM Entertainmentの明日を担うサウンドだ!!

 

 

 

 

'영웅 (英雄; Kick It)' by NCT 127 (2020/03/05 MV 公開)


NCT 127 엔시티 127 '영웅 (英雄; Kick It)' MV

 

 

 

 

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NCT 127 メモ

数々のナムジャグルを世に送り出したはいいものの、そのメンバー離脱率に頭を悩ます(?)アイドルの名門SM Entertainmentが世に放った、多国籍グループNCT。メンバーがユニットごとに常に入れ替わるNCT、その中でもとびきり勢いのあるNCT 127(通称:일이칠(イリチル))は今年、飛躍的な進化を遂げた。

穏やかな佇まいと豊かな声量でグループを支える長兄Taeil (1994年生)

NCTが誇る1WTC、ダイナミックなダンスが持ち味の肉体派Johnny (1995年生)

文字通りのスーパーグループSuper Mに招聘された実力者、この'Kick It'でも初っ端から睨みを効かせる白い鬼、我らがリーダーTaeyong (1995年生)

東方神起に憧れ夢を掴みに海を渡った、SMでは初かつイリチル唯一の日本人でありムードメイカーYuta (1995年生)

伸びやかな歌唱力で中間部を盛り上げる、強かなしっかり者Doyoung (1996年生) 

貫禄溢れるダンスと歌で場を圧倒するJaehyun (1997年生)

WayVとの兼任で韓国での芸能活動を一時制限、幻のイリチルメンバーとなりつつあるWinwin (1997年生)

本作'Kick It'から本格復帰、正統派美青年Jungwoo (1998年生)

NCT DREAMを離脱後、Taeyongと共にSuper Mに抜擢されたMark (1999年生)

引き続きNCT DREAMを牽引しつつグループ随一の兼任歴を誇る多忙な猫っ声のマンネHaechan (2000年生)

世界制覇を成し遂げたBTSに対抗できるのはもはやイリチルだけと言っても過言ではない。K-POPイチ、先鋭的なサウンドとダンスで宇宙をつかめ!!

 

 

  

 

NCT 127 2020年ピックアップ!

*春に発表されたこの'Kick It'は各所で話題騒然に。

リーダーの白髪Taeyong、Mark、青髪Jaehyun、Johnnyを核に、続くAメロではHaechan、Jungwoo、Taeil、Doyoungの歌者リレー、Bメロから飛び込む桃色の髪Yuta・・・雄叫びを連呼するサビが青臭く生意気で、でも耳にこびりついて離れない。

品格と正気を失う一歩手前のアツいサウンド。キレイなお化粧を施したマスクと、その下で最高潮に鍛え上げられた筋肉とが明らかにミスマッチだ。「男装でいて、でも顔はビッチビチに化粧して綺麗で、(相手を)混乱させたい。」ってか(例えがヒドいな・・・)。が、K-POPのMVを何百万回も再生した俺らにはすっかり見慣れてしまったアイドル像。テーピングをした指先までが色っぽい。このすぐ後の'Punch'と比べると差は歴然としていて、従来のK-POPとは何かが違う(あえて言えばフェイクチャイナ的な)世界観に引き摺り込まれる快感。これがK-POPで重要視される「コンセプト」ってやつか・・・

ちなみに、MAMAでは落ちサビ直前の乱闘演舞(?)がMarkのソロダンスに差し替えられていた。暴力的と評価されるのを避けたのかな。思えばこの曲のライブ、いろんなバージョン見比べるとわかるけど、同じ衣装でもJohnnyやTaeyongの胸を隠す演出の時もあったりして(肉体美こそが見どころの一つなんだけど・・・)、オリジナルは韓国の放送コード的に結構攻めた演出だったらしい。この程度なら日本では問題ないと思うけどね。お国柄。

 

NCT本体は秋に"NCT The 2nd Album RESONANCE Pt.1"、そのリパッケージ版(って考えていいよね?)の"NCT The 2nd Album RESONANCE Pt.2"をリリース。

そのシングルカットとして、

新人Shotaroが参加したことでも話題になった、怪しさ全開の最新鋭サウンド'Make A Wish (Birthday Song)'

美しいコーラスワークに突如現れるYutaの日本語歌詞に驚く'From Home'

これなら俺にもわかるNew Jack Swingの'90's Love'

さらに、ダークなエレクトロポップ'Work it'をリリース。

中でも'Make A Wish (Birthday Song)'は相当キワドイ歌詞ということで、「新人のShotaroが笑顔で歌う曲なのか・・・」と一部が困惑&騒然。この4曲における選抜メンバーのバランスも面白いし、各ユニット(127、DREAM、WayV)のシャッフルになってる点も見どころ。本体活動のハズがシャッフルユニットって面白いよね。曲のごちゃごちゃゴージャス具合の点でハロプロのあか青黄とか思い出す。

まぁ、そんな盛り沢山な一年の締め括り、NCT2020が勢揃いで参加した'RESONANCE'はちょっとダサかったかな・・・

 

*複雑なNCTをざっくり知りたいという方には局長さんの解説がわかりやすい。メンバーの細かい出入り(例えば、「この曲では参加していたメンバーが別の曲では不参加」、みたいな些細なこと)を知っても何の役にも立たない、現在進行形のNCTは「今ここ」を追うのが正しい楽しみ方だと思う。顔と名前が一致すればOKで、MVを一目見てメンバーがわかれば上出来。

ただ、SMが新しいグループを作るなら今度こそNCT外で、というのもわかるなー。この辺、上の'RESONANCE'が'WAY TO THE GLORY' by Jr. EXILEと同じ薫りを漂わせているのと同じ危機意識。どんなに新しいグループを作っても、NCTなんでしょ、Jr.EXILEなんでしょ、っていう。新人のShotaroSungchanも、早々とNCTに抜擢されてしまったのが吉と出るか凶と出るか。

 

 

 

 

 1日目、いかがだったでしょうか。2020年を代表する曲として、いずれ劣らぬサウンドと高いメッセージ性。

 

 

 

さしずめ、「戦え!昨日までの自分を肯定して乗り越えろ!!」対決、といったところでしょうか。ちょっと強引かなー。

 

 

 

 

2日目はもうちょっと穏やかな、しっとりした曲対決になる予定です。

 

 

 

 

明日もお楽しみに。

*1:アフロ=フューチャリズムとは、自分なりにまとめると、「アフリカ系アメリカ人が、過去に奴隷として『ロボット化』された歴史を自覚し、『ロボット』であることとの戯れによって、過去を書き換え新たな未来を提示すること」。以下の2冊の記述は必読です。「文化系のためのヒップホップ入門」長谷川町蔵、大和田俊之著、アルテスパブリッシング、58~59頁、「ポップミュージックを語る10の視点」大和田俊之編、アルテスパブリッシング、11~33頁

*2:"Hindsight" by Justin Timberlake, 2019, p.18