2020年最後の日曜日を迎えました。
テレビのチャンネルはどこも慌ただしい。転がるように大晦日、そして新年を迎えるような気がします。
今年のピックアップも残すはあと5組。
昨日のシブいピックアップと打って変わって、本日は爽やかな対決です。しかも歌姫コラボ。
本日の先攻manbandは、年頭からGrammy performanceで話題を呼んだこの3兄弟!
'X' by Jonas Brothers ft. Karol G (2020/05/19 MV 公開)
Jonas Brothers ft. KAROL G - X (Official Video)
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Jonas Brothersメモ
ゼロ年代後半のboybandブームを牽引し、絶頂期に惜しまれつつ解散した三兄弟。美しい奥方の皆さんに支えられながら、再結成2年めも順風満帆。
解散後は兄弟で最も露出が少なく、"あの人は今"な彼が再び一躍時のひとに。Kevin Jonas (lead guitar、1987年生)
丸刈りで気合い入りまくり、今年は俳優Sophie Turnerとの第一子も誕生したJoe Jonas (vocal、1989年生)
Joeと同じく新婚さんは無敵の三男坊、Nick Jonas (vocal & base guitar、1992年生)
カムバック、アルバム、そしてツアーと目まぐるしい活躍を見せた昨年に引き続き、息の合った快進撃は止まることを知らない。
Jonas Brothers 2020年ピックアップ!
*昨年夏から続いた"Happiness Bigins Tour"は2020年から舞台を欧州へ。英国含む8か国を思う存分周りきって、欧州でコロナが深刻化する直前の2月末にツアー完走。表現は悪いがこの三兄弟、絶妙なタイミングでカムバックツアーをフィニッシュすることができたようだ。
*そしてグループとしては久々のGrammy Performance。あぁ、そうだ、毎年恒例にするはずだったGrammy総括をすっかり忘れていた。
Jonas Brothers、Grammy逃す。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) January 27, 2020
むむ〜、去年に続き、今年もコラボものかー
https://t.co/w00symv2a5
2020年の"Best Pop Duo/Group Performance"部門(以下、本部門という)ノミネートは以下の通り。
'Old Town Road' by Lil Nas X featuring Billy Ray Cyrus
'Boyfriend' by Ariana Grande and Social House
'Sunflower' by Post Malone & Swae Lee
'Señorita' by Shawn Mendes & Camila Cabello
ここで、昨年の記事から受賞ジンクスを引用しよう。
2018年までの本部門ジンクス
(1)ノミネートはいつも5作品。
(2)同一人が本部門を2回以上受賞したことはこれまで一度もない。
(3)過去に本部門の受賞を逃した人が受賞するケースもない。
(4)女性が第一名義にくる作品は未だ受賞していない。
(5)2017年が分水嶺。それまではコラボ曲が受賞していたが、2017年以降は単一のバンドが受賞している。また、本部門と他部門との同時受賞が消えている。
参考までに、こちらも。
(昨年)2019年の本部門nominee
(1)2019年のノミネートは、なんと異例の6作品。
(2)Tony Bennett(2012年)とChristina Aguilera (2015年)は既に受賞ずみ。
(3)Maroon 5(2012年合わせ4回) 、Christina Aguilera (2012年)、Justin Timberlake(2014年) 、Zedd(2018年)は過去に受賞を逃している。
(4)Christina AguileraとLady Gagaは、作品の第一名義にその名がある。
(5)BSB以外全てコラボ曲…
(赤字のアーティストは、これまでに同部門でノミネートされた2019年nominee。)
2020年のnomineeを2018年までのジンクスに当てはめると、こうなる。
(今年)2020年の本部門nominee
(1)2020年のノミネートは5作品に戻った。
(2)本部門の受賞経験者はゼロ!
(3)Ariana Grande(2015年)は過去に受賞を逃している。
(4)Ariana Grandeは、作品の第一名義にその名がある。
(5)単一グループはJonas Brothersのみ。他は全てコラボ曲。
お分かり頂けただろうか。本部門、Arianaが絡んでいる'Boyfriend'のみ真っ先に外せるくらいで、残った4組はジンクス的に甲乙つけ難かった。つまり、予想がほぼ困難だったんです。
ただ、2019年の受賞がコラボ曲の'Shallow' by Lady Gaga & Bradley Cooperだったので、コラボ曲受賞の傾向は続くだろうなと。すると、次にJonas Brothersが外れる。残り3組のうち、まぁShawn & Camilaの熱々カップルはやっかむ人も多そうだから(笑)、'Old Town Road'の受賞は妥当だったのではないでしょうか。*1
'Sunflower'も可能性は十分にあったと思うんですけどね。良い曲だし。
以上、ここまでしっかりまとめたのは、ひとえにあのboybandがGrammy 2021のnomineeだからな訳で・・・・
*話を三兄弟に戻そう。彼らの運気もツアーとGrammyで使い果たしてしまったらしく、予定していたVegas Residencyはコロナ禍でお流れに。これは仕方がない。
本作'X'は昨年公開されたドキュメンタリー'Happiness Continues'の挿入歌にもなったのだそう(INROCK 2020 July, Vol.439, p.40)。Promも開けない米国の高校卒業生の為に、#GraduateTogetherのハッシュタグの下、急遽本作'X'の動画を公開。Karol Gも動画撮影にお付き合い。
Karol嬢は南米Columbia出身とのこと。
続いて後攻boybandは、中米Dominica出身の歌姫とのコラボレーション!
'Honey Boo' by CNCO & Natti Natasha (2020/04/03 MV 公開)
CNCO & Natti Natasha - Honey Boo (Official Video)
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CNCOメモ
オーディション番組"La Banda"にて激戦を勝ち抜いた、ルックス・スキル・パーソナリティ全てにおいて百点満点のラテン男子たち。昨今では珍しい、5人全員がセンターを張れるboyband。気がつけば、欧米系の中で歌って踊れる最前線のboybandは彼らだけしかいなくなってしまった。
前髪をサイドに撫で付けてクールに、チーム最年長のChristopher Vélez (1995年生)
髪型がコロコロ変わる係、本作は金髪オールバックのRichard Camacho (1997年生)
金髪がよくお似合いのZabdiel De Jesús (1997年生)
本作のピンクのセットアップが俺好みのJoel Pimentel (1999年生)
すっかりお髭がトレードマークになった末っ子Erick Brian Colón (2001年生)
2015年の結成から今年でもう6年め。中堅boybandとして、そろそろ次のヒット曲が望まれる。
CNCO 2020年ピックアップ!
*コロナ禍でも新曲リリースが止まらないCNCO。米国を直撃した疫病禍、多くのUS boybandが立ちすくんでしまった中、彼らの存在は誠に頼もしかった。
今年はこの'Honey Boo'を皮切りに、5人の未来図(?)が楽しいMVの'Beso'、New Kids On The BlockのオマージュMV*2となっている'Tan Enamorados'、原点回帰とも思えるシンプルなMVの'Mis Ojos Lloran por Ti'、Enrique Igresiasのカバー'Hero'の計5つのシングルを発表。EP "Que Quiénes Somos (Japanese Edition)"がリリースされたのも今年でした。'My Boo' の日本語詞は評価が分かれるところだな・・・
* 'Tan Enamorados'以降の3つのシングルを収録した3rdアルバム "Déjà Vu"、来年リリースを堂々予告。手首のバーコードを見せてゲートを通過、その後、時代を遡るエレベーターに乗って、1988年、1996年、2001年に降り立つ。1988年('Tan Enamorados')は上述の通りNKOTB、1996年('Mis Ojos Lloran por Ti')は'Tearin' Up My Heart' by 'NSYNC、2001年('Hero')は'Show Me The Meaning Of Being Lonely' by Backstreet Boys。こういうboybandの王道的な演出も、近年ではめっきり見られなくなったので、CNCOがこんな風に過去を踏襲して未来に繋いでくれるのはめっちゃ嬉しい。その反面、若いファン層の取り込みはもう諦めたのかな・・・と一抹の不安も。シングルセールスが必ずしも芳しいわけではないし。
*本作'Honey Boo'はboybandオマージュ直前のシングルで、Natti Natasha参加作ということもあり男子たちは俄然張り切ることに。完璧なダンスも堪能できるし、CNCOの不良臭さも味わえる、バランスの良い佳作。これをアルバムに入れなかったのは惜しい・・・MV中のNatti嬢のシュートシーンに、'Reggaetón Lento (Bailemos)'(2016年)のエキストラの子のストライクシーンを重ねたファンも多かったのでは。
両者とも、女声の起用が上手いなぁ、と感心してしまった。特にJonas Brothersは、ラテン調で脂っこくなりそうなところを、Karol嬢の美声で後半は爽やかに味付けして貰ってる。
映像表現上のsocial distanceについても考えさせられる2作品。あなたはどちらがお好みでしょうか。
明日はすっかり大きくなっちゃったあのboybandからスタートです。お楽しみに。
*1:ちなみに'Old Town Road'は、"Record of the Year"部門は逃したものの、"Best Music Video"部門は見事射止めて2冠。ジンクス5の後段もクリアした。
*2:NKOTBの代名詞ともなった名作MV'You Got It (The Right Staff)'より。このオマージュにはNKOTB公式も反応。CNCOと互いにエールを贈り合った。