<PRIZMAX> WIN MORISAKIの声が誘う、おいでよ特撮の沼 ~「俺こそオンリーワン」からドンブラザーズへ~
最近気になってきた。マイクに血が通(かよ)っていて、なんだかイキイキしている。ソロになりたての頃のJustin Timberlakeを思い出す。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) April 17, 2022
げんじぶだけ見ていて気づかなかったけど、スタダの先輩にはなかなかの強者がいるね。
'Fly with me' by 森崎ウィン (ex-PrizmaX)https://t.co/sEDAfLufqu
直近のこちらも凄くイイ。戦隊モノのOPらしいがまるでジェットコースターみたい。及川先生の歌詞が日常の憂鬱な背中を押してくれる。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) April 19, 2022
FIRST TAKEとかで歌って欲しいなぁ。。ライブでどうこの難曲に立ち向かうのか、ぜひ観てみたい。
'俺こそオンリーワン' by MORISAKI WINhttps://t.co/eiL11kvbnu
Justin Timberlakeの例え、分かる人には分かるだろう。歌からダンスに移行する時の雰囲気とか、そこからまた歌い出す時の笑顔とかがJTを彷彿とさせる。
このヒーローソングにおいて、特徴的なのはやはりサビの「ア・バ・タ・ア・チェ・ン・ジ!」
森崎さんの潤った、しかし極めて餓え渇いた喉が、水分と熱量をたっぷり含ませて放つこの決めゼリフの力強さ。主役の樋口幸平さんのハスキーボイスともシンクロする。この部分はダンスもカッコいい。
・・・いやぁ、もう、ずっぷりですよ。森崎さんの歌声は百点満点、何も言うことナシとして、このところおっさんはもう、ドンブラにどっぷりです。その決定打については後述するが、この「俺こそオンリーワン」、いろんな意味で破格。
とにかくカッコいいのだ。なんせメロの真っ只中で転調するし。往年のドリカムかよって感じ。さすがは各種ランキング1位総ナメだけのことはある。
この曲のカッコよさにいち早く気づいた名うての猛者の皆さんが、lead guitar & rhythm guitar、bass guitar、そしてダンスのカバーを続々とアップロード。これらノリノリの名演は曲への理解度を高めてくれること間違いなし。どれも曲への愛が溢れている。
ただ、個人的体験として、「俺こそオンリーワン」にハマるきっかけは歌詞だった。
なんか変じゃない?
戦隊モノって団体でしょ?個人種目じゃないよね。
「俺こそ」とか言ったら反則じゃない?
それに、「いまはGo!」ってなんなんだ。「いまは」って、いかにもリズムの埋草っぽい。無意味に思えた3音節。
気づいたのは連日連夜の残業中。明日のプレゼン資料を、直前の内容変更指示に半ベソかきながらオフィスにてデスクワークの最中にですよ。
ふと、耳の奥底で鳴り響いたサビ、「いまはGo!」
そうだ。「いまはGo!」なんだ。
特に何の進捗もなくても。プレゼン内容がすっからかんになっちゃってても。
「いまはGo!」
直前のダメ出しで全部パァになって、一から考え直さなきゃいけなくなってても。
「いまはGo!」
ここは、「い」「ま」「は」。この3文字じゃなきゃならなかった。他のどんな音素も、この3音節には替え難い。
これに気づいた深夜、思わず職場のトイレで泣いちゃった。
これからどうなるかは分からないけど、少なくとも本稿執筆中のドラマにおいて、我らが主人公、桃井タロウはほぼ無双。敵方の計略に嵌められたりもしたが、基本的には無敵キャラ。その無比っぷりと、劇中のツンツンにツンな役柄が、この「俺こそオンリーワン」をナイスに誤読させる。
歌詞はのっけから威勢がいい。「暴れ野郎」で「完璧」で「そこのけ」だ。仲間なんか要らない、お供なんか足手まといもいいところ、何でも自分で出来ちゃうんじない?
その誤読を、サビの「いまはGo!」が、ものの見事に反転させる。全部、綺麗に裏返る。
もう行かなければならない。
何の準備もなくても。
その資格がなくても。
もう誰も、自分と共に戦ってくれなくても。
これは、誰よりも助けが必要な人の、それでも一人で前に進まなければならない歌なんだ。
壮大な負け惜しみの歌、と言ってはそれまでだが、絶対に負け戦になってはならない局面、人生には何度か出くわすもので、そんな時にはぜひ、この曲のカッチョいいブリッジのギターを思い出したい。絶対に沁みる。
YouTubeのコメント欄を始め、巷の呟きには「革新的」「従来の戦隊モノ主題歌とは何かが違う」等の感想が並ぶが、ほんのりダークでゴリゴリな曲調の他に、もしかしたら歌詞の隠し味が効いちゃってるのかもしれない。気づいた時には命取りだ。
そんな孤高なOp.だが、それと双子のようなEnd.は正統派の戦隊ソングに仕上がっており、ちゃんと仲間のことを歌ってくれていて安心する。歌うはもちろん、WIN MORISAKI。
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蛇足ながらドラマ本編にも触れたい。気になるのは冒頭にも触れた「アバターチェンジ!」
これ、面白いよね。「アバター」を「オン」するでもなく、「アバター」に「ライド」するでもなく、「チェンジ」する。つまり、「アバター」はデフォルトで実装済み。
これに気づいてドラマが、というかその配役の妙味が、俄然楽しくなった。
この作品、「ハマり役」がいないのだ。
主役の樋口さんも、昔話を模した戦隊ヒーローの真ん中、というにはやや現代寄りなオーラ。髪色も明るいし、オーディオコメンタリーでの語り口は気さくで洒脱な感じ。
他の4名+追加戦士1名もそうなんだよなぁ。よく、ヒロインの志田さんがまるで(演じている)はるかみたいだ、という感想をよく耳にするが、他のお兄さん方と一緒だと借りてきた猫のような大人しい姿を見ると、個人的にはそこにもあえて疑問符をつけたい。
「タロウ」も、「はるか」も、その他のお供たちも、演じる皆さんにとっては、変身後と同様に「アバター」の1つ。そうやって、役者それぞれのペルソナと、役どころの各アバターとの距離感をあえて設けたのが、このドラマの特徴なのではないか。
それを象徴するのが決めゼリフ「アバターチェンジ!」なのだろう。
なんでそんな仕掛けがあるのかは分からないけど。この妙味、どんどんしっちゃかめっちゃかになる本編と共に楽しみたい。
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最後に。ドンブラ沼没入への最後のひと押しになったのが、この方の参戦である。
追加戦士の石川雷蔵さん・・・orz・・・なんと清々しい二の腕。
これぞスターダスト・ルックス。げんじぶの武藤さんよりも2つ歳下だが、美々しい眉毛といい頬骨といいがっしり顎といい、既に完成されている。画面の中の彼を追いかけて、毎週日曜日が楽しみな昨今だ。