Boyband vs. Manband 歌合戦、前半戦最終日の対決テーマは「波打ち際と白衣装」。
偶然にも同じシチュエーション、似たスタイリングで、世代の異なる二組がMVを発表。
先攻Manbandは、25周年ツアーを無事完走したこの4人組。
'One Last Time' by Blue (2025/09/15 MV公開)
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Blue メモ
2000年結成。ゼロ年代前半、Westlifeと人気を二分し、ピークを過ぎたLou Pearlman傘下のUS boyband(Backstreet Boys、*NSYNC、O-Town)の人気をそのままごっそりさらって行った英国出身の4人組。
この人が帰ってきたら再結成も本格始動、安定した高い歌唱力のSimon Webb (1978年生)
20代の時と同じコレオじゃ辛いとぼやくDuncan James (1978年生)
ミュージカルMamma Mia! The PartyとBlueの二足草鞋でダイエットも成功、Antony Costa (1981年生)
Bandと併行してソロのリリースも続く、一番人気のマンネLee Ryan (1983年生)
ライブ映像を見ると'Beautiful Spiritual'もノリいい良曲。25周年を経て各々がソロ活動へと帰って行く前に、ぜひチェックしてみてください。
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後攻Boybandは、お待たせしました。今年、最もハマった7人衆。
対戦、よろしくお願いします!
'WALTZ' by 龍宮城 (2025/04/19 MV公開)
海の底から来たものは、また海へと還る。第1章の終わりに。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年4月20日
本作はこれからの7人のあらゆる可能性の芽を仕込んでくれている。たとえばユニゾン中のRayの声とか(絶品!)名プロデューサーの志を継ぐならまずはこの曲が新しい準拠枠になりそうだ。
'WALTZ' by 龍宮城https://t.co/swhvdxgcK0
ラストの最後の晩餐、並び順
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年4月21日
5714236
をググるとトップに海の写真が。
偶然だけどちょっとゾクッと。#龍宮城
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龍宮城メモ
オーディション番組「0年0組-アヴちゃんの教室-」を勝ち抜き結成されたオルタナティブ歌謡舞踊集団。歌舞いた衣装に目を眩まされ、J-POP boybandの中でも一等研ぎ澄まされたフォーメーションダンスを楽しんでいると、いつの間にか彼らの玉手箱、隙なく構築された楽曲世界に封じ込められてしまうこと間違いなし。
アヴちゃん先生から授かった番号もあるが、ここではあえて年齢順に。
グループ一番乗りが彼な故に「龍宮城」あり、Japanese boybandでは非常に珍しい長髪がトレードマークのミスター・フィジカル、ITARU (2002年生)
神の声音は七色に、クールな外見とどこでも眠れる(そして寝坊する)適応力を発揮するファッションスター、齋木春空(2004年生)
2025年後半は彼が龍宮城の顔に、ドラマW主演&'SUGAR'で初センターを勝ち取ったチームのツインタワーの一角、冨田侑暉(2004年生)
ファルセットからドス声まで自由自在、その素顔は「お前が言うの?」*1でメンバーを腰砕けにした口数少なめの目力・爆発力、S (2005年生)
ジャパサイでお手元真っ二つ、触れなば斬らん殺気たっぷりさんだが油断していると目隠しで舐められちゃう*2、我らがリーダーKEIGO (2005年生)
明晰に言葉を紡いで誰の目にも見える形にオルタナティブを具現化、彼のような分析型アイドルに最も心が寄って/酔っていく、ツインタワーのもう一角Ray (2007年生)
そして最年少、キラキラ幼年期はもう脱ぎ捨てて、大人の階段はさぁどっち?バッティングは苦手な方、KENT (2007年生)
長らくboybandを観測してきた身からすると、アヴちゃんプロデュースからの卒業はむしろ僥倖。もちろん、ヒットメーカーから離れるのは短期的に痛手だが、boybandっていつかは自給自足する時が来るんです(もしできなければ解散)。'2 MUCH'、2年は長すぎるなんて予告めいたデビュー曲も格好よく、グループの良き先輩として見守っていただきたいもの。ということで紹介すべき最後のメンバーは、
改めて見返す「0年0組」、最初から最後まで額を誰よりもクッキリと出し、アイドルの手本をまずビジュアルから示してくれた、いつまでもあなたの影を追う零番は永久欠番、アヴちゃん先生
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アヴちゃん先生から受け継いだもの。
ITARU 「期限」
最年長の彼ほど自らの夢にタイムリミットがあることを自覚した者はいなかった。現役アイドルでここまで明確に言葉にする人は貴重だ。
春空 「反抗心」
のほほんとしがちな彼を最後に選んで、何の成長もないと暗にコメントすることでハートに火を点けた。緊張しつつもちょっとムッとする表情に注目。*3
冨田 「独自性」
憧れている人の血がちょっと強い、と告げられた日から磨いたグロウル、デスボイス。ライブで最も映えるのは地響きのような彼のコールと遊泳区民のレスポンス。
S「独立」
こんな彼でもオーディション開始当初は弟キャラでした。師匠と別れ独立独歩、今や誰も追いつけない境地に。
KEIGO 「怒り」
内なる感情を怒りとして表出、朴訥とした青年が周りを寄せ付けない殺気を湛える表現者に。「憧れで始めて殺意で続ける」*4を地で行っている。
Ray 「キョウキ」
完成した楽曲の仕上げにジジジッと熱い電気を流せる稀有な緊張感。狂気でも驚喜でも侠気でも兇器でもない、カタカナでしか書けない彼の緻密に計算されたあの感じ。
KENTO 'Boyfriend'
まあね、実は彼について書きたかったんです。
どうしても呟いておきたい。日本のボーイズグループ史、boyband史がざっくり60年だとして、その60年でおそらく史上初の光景に立ち会った。俺は2階席だったのだが、武道館に揺れるサイリウムの光が軒並み凍りついていた。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
事前に曲を聴いて、ライブ映像を観た時には、プロデューサーであるアヴちゃんの依代として歌っているのかな、と思っていたが、どうもそうではないらしい。いや、ないのかな?と気持ちは宙ぶらりん。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
電子ピアノの弾き語り、鍵盤の上を滑る指は震えている。前のライブは7人だったが、それじゃどうしても伝わらないから一人で、という彼の意志だったのか。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
すごいな、これは歴史が変わるぞ、と客席で固唾を飲んで見守った。聴く、というよりは、見守っていた。
歌唱が終わってしばらくしても拍手は鳴り止まない。大きく包まれる拍手というより、いつまでも引かない潮のような穏やかな拍手が。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
で、その直後に「零零」。この曲がBOYFRIENDの後に来るのかと。彼の歌い出しで、泣けて仕方なかった。
とても聡い人だし、師匠の背中も見ているから、きっとステージの上でしか表現しないのかもしれない。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
でも、とても心強かった。あの場にいた全員が彼から何かを受け取って帰路に着いた。帰り道、誰かとその話で持ちきりになったかもしれないし、噛み締めながら歩いた人もいただろう。
武道館はこれに勝る絶唱だった。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
しかし、ここまで自分の中の何かを曝け出さなきゃならないなんて、芸能とはまさに(括弧付きの)『地獄』。その底を這いずる覚悟をしかと受け取った。
'BOYFRIEND' by 龍宮城https://t.co/PtnUwsLIQ4
その後のこちら、歌詞が嵌りすぎて涙が止まらなかった。この大舞台を見据えて書かれた曲とパート割りなのだろう。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
一番手KENT氏を抱き留める二番手春空氏のパートも熱い。この春空パートにアブちゃんの気持ちが付託されている気がする。
'零零' by 龍宮城https://t.co/WtA8BveRZT
誤字すみません。アヴちゃんでした。
— じょっき体入@蝦蟇 (@Guamman8) 2025年2月22日
フロアの雰囲気がもの凄い感情で渦巻いてる中、この曲のRayさんの第一声でドカンと。雷が落ちた。ハマりすぎてちょっと笑っちゃった。
武道館で観るべき曲。待ってましたとばかりに弾けた。
'SHORYU (→↓↘︎+P)' by 龍宮城https://t.co/aytJ977PWF
名曲は多いし強い魅力で惹きつけるグループではあるが、正直、フラッと入った武道館でこの光景に遭遇しなかったら、ここまでハマらなかった。
すごい表現者だな、と。表現ってここまでするのかと。
BLっぽい、という評をXでよく見かけるが、その趣旨の曲ならきっと他の人、例えば年長のITARUが歌っていただろう。こんな生々しい曲は、マンネで未成年のKENTには手渡さなかったはず。
'JAPANESE PSYCHO'がKEIGOに届き、'完璧'がRayへと授けられたように、'Boyfriend'は彼の曲になった。アヴちゃんは実によく、人を観ている。
一度言葉にして書いてしまうと野暮ったく、勘違いだと恥ずかしいし、むしろそこまで表現を磨いて尖らせる彼を天晴れと思ってしまうのだけど、
一人のファンとして、ちゃんとあなたを見ていますよ、と伝えたい。
何故なら確か武道館のfootage、全部全部変えてやるんだと舞台裏で意気込んだ映像を見たその後、いくつかのライブでお見かけしたが、実は何も変わらなかったんじゃないかと、その背中がどこか悔しそうな気がしたから。遠回しな表現でごめんなさい。
最後に、音楽的な感想として、'Boyfriend'ととてもよく似た空気感のboyband songを俺は知っている。
明日のクリスマスイブは毎年恒例、boyband/manbandその他てんこ盛りの詰め合わせです。お楽しみに。
*1:これ、実は奇跡的な構図。グループのツッコミ役(冨田、KEIGO、Ray、KENT)が画面奥でクニャクニャになる中、ボケの方々(S、ITARU、そしてなんと言っても春空!)は画面手前で素知らぬ顔という。誰一人欠けてはならない最高の瞬間。
*2:だれー!?
*3:フォローするまでもないが、アヴちゃん先生が生徒に渡す順位にはちゃんと意味がある。れっきとした教育者よな。
*5:こちらもぜひ。Justin Timberlake、一世一代の絶唱だ。あ、こちらのライブ映像の方が、JTの可愛さと水も漏らさぬ鉄壁のコーラスが味わえるかも。ちなみに作詞作曲した当時のJTは20歳。