2021年ピックアップ、本日12日めは、hip-hop band同士の対決です。
先攻manbandは、本ブログ初登場、1MC-1DJのミニマルな構成でデカい世界観の2人組。
畳み掛けるリリックと端正なサウンドで時勢を斬りまくる!
'バレる!' by Creepy Nuts (2021/06/01 MV公開)
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Creepy Nuts メモ
2015年結成。一人はラッパーとして、もう一人はDJとして、いずれも頭角を表し始めていた者たちの出会いが、思いがけないフロウの奔流となって聴く者の頭の中をくすぐり続ける。
DJで世界一まで昇りつめた後、近年は俳優や執筆業にも力を入れる鬼才、DJ松永 (1990年生)
「フリースタイルダンジョン」で名声を不動のものにしたR-指定(1991年生)
年始に某番組のテーマソングに起用された本作。自尊心と虚栄心の狭間で揺れ動く「天才」を見事に描いた。
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1番と2番の歌詞を対比して丁寧に分けて書いてくれているけれど、本作がコワいのは、これら2つの歌詞がほぼ同時に現実化し得るところだと思う。
「マジか・・・自分の才能が怖い・・・」なんて悦に入ってまとめたパワポで、30分後の会議にて吊し上げに遭うなんて経験無い?俺は何度もあるよ。身につまされ過ぎて泣けてしまう。
"勝ち逃げできない"のはboybandの世界も一緒なんだよね。ひとまずの処方箋は「何事も謙虚にやり過ごす」ことだろうか。
さぁ、後攻boybandは、コロナ禍もなんのその、男だらけの共同生活で曲を量産し続けるhip-hop factory!
サムネイルからして強烈・凶悪。閲覧は自己責任でお願いしますね。
【閲覧注意】
'DON'T SHOOT UP THE PARTY' by BROCKHAMPTON (2021/06/03 MV公開)
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BROCKHAMPTONメモ
元Kanye West(現Ye)のファンらがオンライン上に集い結成したhip-hop集団。野郎だらけ、総勢なんと14名・・・・から色々変動あって今は何名なんだろう。リーダーKevin Abstract(1996年生)以下6名のボーカルを核として、プロデューサーやクリエイティブディレクターが脇を固めている。
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顔写真の順番は、Kevin Abstract→Matt Champion→Kevin→Joba→Kevin。モーフィングで繋いでいく顔の隙間に、誰かの皺やら、シミ・汚れやら、自傷跡やら、なんやらかんやらが花火のように咲いては散る。
大サビの銃声で思い出すのが、The MDNA Tour by Madonna (2012年)の'Nobody Knows Me'.ダンサーがslack lineを軽々とこなす背景にMadonnaの顔のこれまた強烈なコラージュ。
BROCKHAMPTONもこれに似ている。が、ちょっとMadonna超えたなと思わせるのは、(おそらく)全て本人たちの写真のモーフィングの筈なのに、写真によって、被害者のような、指名手配中の容疑者のような、化け物のような、落書きのような、行方不明者のような、アニメキャラクターのような・・・・様々な「顔」が出現するところ。
それでいて、音楽がそれほどhip-hop寄りでもなく、最近の彼らの傾向かpops要素多めにしてくれているのでとても聴きやすい。意外にスルメ曲。
以上、本日の対決テーマは「顔」でした。明日もお楽しみに。